ホーム > 乗車レポート > ドイツワインと「銘酒鉄道」

乗車レポートギャラリー

独逸の熱狂旅人さんの作品 「ドイツワインと「銘酒鉄道」」

  • ■列車: 国際ICE、ICE、IC、RE
  • ■旅先: ドイツ、マインツ、トリアー
  • ■時期: 2012年3月10日
ドイツワインと「銘酒鉄道」
 ドイツワインといえばフルーティで優しい香りの白ワインが思い浮かびます。少し甘いと嫌う向きもありますが、最近はトロッケン(辛口)に作られるワインも増えてきました。ラインとモーゼルが二大ワインと言われますが、筆者はこれにフランケンワインを加えてドイツ三大ワインと捉えています。いずれの産地でも良質と称されるものは、川の両岸の切り立った崖にへばり付いたようなブドウ畑で作られていて、その意味ではドイツのワインはこれらの大河の恩恵によるものと言えそうです。

 ドイツの鉄道から見える風光明媚な場所の中でも川沿いの風景は素晴らしく、とりわけマインツからコブレンツまでのライン川流域とコブレンツからトリアーまでのモーゼル川流域の景色は、見続けても飽きることはありません。フランスではボルドー市から北に向けて格付ワインの産地を突き抜ける国道を「銘酒街道」と呼んでいますが、同じようにドイツのマインツからコブレンツを経てトリアーに至るドイツ鉄道は、「銘酒鉄道」と呼んでもいいと思います。

 今回の旅はこの「銘酒鉄道」に乗って移り行く川沿いの風景を楽しみながら、それぞれの産地のワインを十分に楽しもうという旅なのですが、短い旅なので3日間用の1等のジャーマンレイルパスを購入しました。

DSC01249.JPG
 今朝(3/10)早く、ミュンヘン中央駅からICE特急に乗って、途中マンハイムでIC特急に乗り換えてライン川に沿いながら、ここコブレンツに12時少し過ぎに到着。駅のコインロッカーに荷物を入れて、ラインワインを揃えていることで知られる「ワインドルフ」に向かいます。この「ワインドルフ」はライン川沿いの広い敷地の中に7、8軒のワインレストランが集まっているワイン村。それぞれが自慢のラインワインと郷土料理を提供しています。この日は土曜日なのでこの時間には営業していると思ったら、入り口の門が閉じていて人気がありません。中にいた人に聞いて見ると、オープンは13時とのこと。それでも準備中のレストランに入れてもらえました。ドイツのワインはブドウの種類ばかりでなく、畑の場所や生産者まで詳しく記載されていますので、無数に近い種類があるといっても過言ではありません。自慢の郷土料理とお薦めと言われたラインワインを2種類飲んで、コブレンツ駅から2階建てのRE列車に乗ってもう一本の「銘酒鉄道」でトリアーを目指します。

 トリアーはドイツでは最も古いローマ遺跡が残る街ですが、モーゼルワインの主要産地でもあるのです。夕方、旧市街の市庁舎前広場に面した「ツム・ドームスタイン」というトリアーでも老舗のワイン酒場に入ります。ここの郷土料理も定評がありますが、自慢は何といってもモーゼルワイン。ボトルやグラスで数多い種類を提供していますが、利き酒スタイルで少量ずつ飲み比べられるワインのセットが売り物です。100ccずつの3種類の飲み比べセットが、5、9~7、9ユーロ、50ccずつの6種類のセットが7、6ユーロで用意されています。それぞれに生産者、生産場所、使用ブドウの種類が明示されていますので、ワイン好きには堪りません。

DSC00714.JPG
 翌々日(3/12)、ミュンヘンに戻る経路は「銘酒鉄道」を離れ、朝7時30分発のREでザールブリュッケンに向かいます。ここで、パリ東駅発の国際ICE特急フランクフルト行きに乗り換えるのです。この列車はフランス国内は座席指定券(有料)が必要ですが、ジャーマンレイルパスを持っていればドイツに入ったこの駅からはその必要がなくなります。列車に乗って暫くすると車掌が検札に廻ってきましたが、フランスの車掌とドイツの車掌の2人組です。その服装がそれぞれの国柄を表わしていて、フランスの車掌は黒いポロシャツにざっくりしたジャケットを羽織って洒落たベレー帽を被ったラフな服装に比べ、そのうしろのドイツの車掌はまさに謹厳実直なスタイル。国際特急ならではの面白さです。

 この後、フランクフルト中央駅でICEに乗り継いで、途中ヴュルツブルグで下車。ここは、フランケンワインの産地や集積地として知られています。目指すのは駅から5分ほどの「ユリウスシュピタール」のレストラン。もともと施療院としてワインを作り始めた老舗の醸造所の経営になるものです。ここでも、利き酒用の100ccでの各種のフランケンワインを提供しており、バッカスやミュラー・トゥルーガル等のフランケンワインだけに用いられる珍しいブドウを使ったワインも楽しめます。

 この後は、東京に戻る飛行機の出発時間を気にしながらICEに乗り込んだのでした。

ギャラリーに戻る