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乗車レポートギャラリー

ぽんたさんの作品 「4回目、20年ぶりのユーレイル」

  • ■列車: ICE、ガルミッシュ線、ベルニナ急行、ウィリアムテル急行、TGV、コートダジュール線
  • ■旅先: ドイツ Mittenwald、スイス サンベルディーノ峠、フランス コートダジュール 
  • ■時期: 2012年8月19日
4回目、20年ぶりのユーレイル
 私は、今夏、人生4回目の欧州鉄道旅行を楽しみました。大学3年のとき、初めて国際急行列車に乗り、以来、鉄道旅行マニアになりました。発車時に音もなく、滑らかな滑り出し、ゆったりとしたコンパートメント、車窓の風景と見るものすべてが新鮮でした。今回、たまたま得られた2週間休暇、心はDB(ドイツ国鉄)に飛んでいました。

 ユーレイルパスをフル活用した今回のルートは、フランクフルトを起点に、ミュンヘン、ドイツの最高峰ガルミッシュ、スイスのサンモリッツ、ロカルノからウィリアムテル急行でルツェルン、南仏のマントン、TGVでパリ、ICEでフランクフルトに戻りです。今日は、あまり知られていませんが、今回、感動した3つの路線をご紹介します。

 ひとつは、ドイツのガルミッシュから、インスブルックに抜けるルートです。ガルミッシュには、標高約3000メートルのツークスピッゼ山への登山列車が有名です。なんと、1930年に完成と老骨ですが力持ち、バイエルン州のシンボルカラーの青と白のボディーで、森林限界を抜け、岩山を登り、氷河の世界に連れて行ってくれます。翌日、ガルミッシュから、保養地ミッテンバルドを抜けて、インスブルックに抜けるローカル線の車窓が味わい深い。登山列車ではありませんが、標高1000メートルを超えており、雲海の上を通ります。バイエルンからチロルに入り、家の飾りがさらに凝ったものになります。昔から、重要なアルプス越えのルートの一つですが、ミュンヘン・インスブルック間は他の幹線があり、この眺望路線が残ったようです。できれば、通り過ぎるだけでなく、ミッテンバルドなど途中駅のペンションで泊まれば、ドイツアルプスの静寂と青さが印象深いものになるでしょう。

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 二つ目は、スイスのサンモリッツから、ロカルノ発のウィリアムテル急行に乗るために、方が、氷河急行の途中駅ツーシスからベリンゾーナまでバスでいきました。このルートはサンベルナディーノ峠といわれ、アルプス越えルートでは、最もスリルのある、ヘアピンカーブの続くルートです。前日のベルニナ急行も退屈に思えるほど急な峠道をポストバスはダイナミックに走ります。車酔いする人は乗らないでください。その後、保養地ロカルノから、ウィリアムテル急行で、ゴッタルド峠を快走し、遊覧船で古都ルツェルンに到着しました。また、サンモリッツ、その一帯のエンガディン地方は、ヨーロッパ有数の高級リゾート、大氷河など自然の景色に富むところです。ヨーロッパ人は、この景色を快適に楽しむため、19世紀からここに鉄道を引いた訳で、その執念には頭が下がります。



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 三つ目は、山を見飽きたあとで、コートダジュールの紺碧の海が見たくなり、長路ミラノ経由、ニース方面に向かいました。列車はジェノバを過ぎると、ずっと海岸線を走ります。日本でも有名なサンレモ(イタリア)、モナコ、ニース、カンヌはこの沿線にあります。江ノ電のように、ビーチ際を走るので、車窓から日光浴する人たち、年代物のおばさまから、ラッキーするとトップレスの美女まで見えます。ぜひ、海側の座席を確保しましょう。南仏リゾートのなかで、私のイチオシは、イタリアとの国境の街、マントンです。漁師たちが砦を造って住んだ古い町に、ベルエポックという欧州貴族文化が持ち込まれ、フランス・イタリア両国の美食が楽しめます。ジャン・コクトーがこよなく愛した街です。

 トーマスクック時刻表に、ニースからモスクワに二晩かけて走る直通列車がのっていました。いつかは乗ってみたい路線です。ニースには、ロシア革命以前から多くのロシア貴族が陽光を求めて訪れ、ロシア文化の遺産があります。30年前に初めてユーレイルに乗ったときは、もっと国際列車の種類が多く、次々と行先の異なる客車を切り離し、国境を越える度にわくわくするものがありました。今日、昼の主要列車が、TGV、ICEに集約され、やや単調な気がしました。昔、ドーバー海峡フェリーで食べたFish & Chips、あれは最高の美味でした。(終)

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