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長谷良直さんの作品 「谷の村からワインの村へ」

  • ■列車: IC
  • ■旅先: スイス,ラウターブルンネン、シオン
  • ■時期: 2008年9月15日
谷の村からワインの村へ
 2008年9月、猛暑の日本を旅立ち、スイスの玄関口であるチューリッヒ空港に降り立った。今回の旅の目的は、スイスの雄大な自然を満喫し、名物料理を堪能することである。

 最初の滞在地は、ベルンの南東約50kmに位置する標高795mのラウターブルンネンである。この地は、はるか昔に氷河によって削られてできた谷の底にあり、村の左右が断崖絶壁という絶景が楽しめるのである。また、この絶壁から流れ落ちる落差300mのシュタウプバッハの滝と、氷河から溶けた水が、長い年月をかけ岩を削ってできたトリュンメルバッハの滝に惹かれ、訪問先としてこの村を選んだのだ。ゲーテも、この谷底の村に滞在し作品を執筆していたそうである。

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 さて、話は戻ってチューリッヒ空港にいる我々4名は、これから鉄道でラウターブルンネンへと向かうところだ。駅の窓口では、行き先までの乗り継ぎ便が書かれた時刻表をもらうことができ、不安は無く鉄道を乗り継ぐことができそうだ。ベルン、インターラーケンで乗り換え、お昼にはラウターブルンネンに到着。残念ながら天気が悪く雨模様だった。迫りくる断崖絶壁に圧倒されつつ、散策前の腹ごしらえということで、牛肉の煮込みのレシュティ添え、パスタなどを、ホテル(というよりも山岳ロッジといったほうが適切だろうか)で注文した。レシュティとは、細切りにしたジャガイモを焼いたもので、表面はフライドポテトよりもカリッとし、内部はホクホク、味と食感が楽しめるスイス定番のつけあわせである。個人的には、メイン料理よりも、このレシュティの方が好きなくらいだ。

 シュタウプバッハの滝は、ラウターブルンネンのシンボル的な存在で、町のいたるところから見ることができる。一方、トリュンメルバッハの滝は、町から少し離れており、駅から出ているポストバスを利用して行くことになる。スイスは鉄道網が発達しているとはいえ、小さな田舎町や谷の奥へ行くにはバスを利用する機会も多い。スイスパスは鉄道はもちろん、バスもフリーパスとなるので、鉄道では行けない観光地にも気軽に行くことができる。

 トリュンメルバッハの滝は、雨が降ったせいもあり、ものすごい水量で、岩の間を流れていた。水流の勢いはすさまじく、轟音が鳴り響き、となりの人との会話もままならないくらい激しいものであった。滝の水が気の遠くなる歳月をかけて岩を削り、岩のチューブを作り、その中を水が落ちてゆく。そのため外からこの滝を見ることができないが、内部に入ると水の流れとともにチューブの中を落下しそうな錯覚に陥る。こんな滝はいままで見たこともなく、大自然の驚異を感じることができた。

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 数日の滞在の後、谷の村ラウターブルンネンに別れを告げ、ヴァレー州のシオンへ向かった。ヴァレー州といえばブドウ、ブドウと言えばワインということで、ワイナリー見学のためにシオンへ向かったのである。ラウターブルンネンを出発し、シュピーツ、ブリーグを経由し、シオンへ向かう途中、車内から山の斜面一面のブドウ畑の景色を眺めることができ、自然とワイナリー見学の気分が高まってゆく。我々が向かった小さなワイナリーは個人見学を受け付けており、この日は我々以外には誰も見学しておらず、オーナーが自ら説明してくれた。気さくで感じのよいオーナーで、話も弾み、時間を忘れて何種類ものワインを試飲させてもらった。大きな熟成ダルに蛇口がついており、蛇口をひねるとワインが出てくる仕組みとなっている。たくさん試飲し、当然酔いがまわる。当のオーナーも酔ったようで、一度見学し終えた場所にもかかわらず、再び同じ場所に連れて行かれ、2度も同じ説明を聞くことになった。スイスワインは非常に美味しいのだが、スイス国内でほとんどが消費されるため、輸出量が少ないそうだ。日本でこの味を楽しむため、何本もお土産ワインを購入した。そして、ほろ酔い気分でシオンをあとにした。

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